研究課題
基盤研究(C)
ポリパラフェニレンビニレン(PPV)とポリエチレングリコール(PEG)とのブロックポリマーを合成した。得られたポリマーを良溶媒に溶かし、PPVに対して貧溶媒でありPEGに対して良溶媒である極性溶媒を加えることにより自己組織化を促した。キャストフィルムの透過型電子顕微鏡観察から、直径10nm程度、長さ100nm以上のナノワイヤーの形成が確認された。UVおよび蛍光スペクトル測定によって、PPV部が不溶化して会合していることが示唆された。また、THF/水の混合溶媒中において、ブロックポリマーにPPVホモポリマーを可溶化できることが明らかとなった。また、PPV-PEGグラフトポリマーについても合成に成功した。これは、上記ブロックポリマーと同様の自己組織化材料として用いることが可能と考えられる。以上の結果に基づき、ワイヤー調製時の溶媒組成やポリマー濃度を調整することにより、ワイヤーの形状を任意に作り分けるための基礎的技術を確立した。上記と並行して、PPV以外の系の高分子集合体調製を検討した。ポリ(アシルアミノアクリル酸アルキル)の感熱応答による集合体形成において、アルキル鎖の置換で感熱応答制御ができることを示した。PEGやポリプロピレングリコール(PPG)などの末端をウレタン修飾した化合物を種々合成し、電場下でのレオロジー特性を測定した結果、集合体が凝集構造を形成し、粘度が増大するER流体として利用できることが明らかとなった。末端疎水化PEGおよびPEG-PPG共重合体の水溶液について、温度変化による集合体形成挙動を可視光透過率および蛍光測定などから明らかにした。これらは、ポリ(アシルアミノアクリル酸アルキル)などのビニル系ポリマーとともに、温度によって高分子の自己組織化を制御できることから、種々の高分子のナノワイヤーに適用できる可能性が示唆された。
すべて 2005 2003
すべて 雑誌論文 (6件)
J.Polym.Sci.,Part A : Polym.Chem.Ed. 43・8
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Technology on Adhesion and Sealing Vol.47,No.12