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2004 年度 実績報告書

制御された歪と圧力による環境半導体β-FeSi_2の光電物性の探索

研究課題

研究課題/領域番号 14550018
研究機関岡山理科大学

研究代表者

財部 健一  岡山理科大学, 理学部, 教授 (50122388)

研究分担者 森 嘉久  岡山理科大学, 理学部, 講師 (00258211)
キーワードβ-FeSi_2 / 軸圧縮率の異方性 / 体積弾性率(243.5GPa) / α-FeSi_2 / 体積弾性率(183GPa)
研究概要

環境半導体β-FeSi_2と金属α-FeSi_2の高圧力下のX線回折実験を行った。これらは化学結合,格子構造の特徴,構造相転移を探索する目的で行った。また,体積弾性率の理論計算結果と比較することにより,理論計算に見られる特徴的ご誤差についても考察した。結果によれば,β-FeSi_2はa軸が他のb,c軸に較べて圧縮され易いことが判明した。これは鉄原子同士の直接的結合はないものの,鉄原子面がa軸に対してシワ構造をしていることによりa軸が他の軸より格子定数が大きくなっており,逆にシワ構造は原子間角の変形を引き起こし易く,圧縮率が大きくなる。体積弾性率は243.5GPaでこれはダイヤモンド,BNについで大きな値である事が分かった。これは鉄原子のdバンドが結合力に寄与していることによると考えられる。実験的に決定した体積弾性率を理論体積弾性率と比較する際,理論値には傾向的特徴があることが分かった。理論値は180〜250GPaと幅があるが,平衡体積と逆相関があることが見て取れる。これは局所密度近似の特徴として理解できることであることが分かった。しかし,逆相関のほかに内部エネルギーを過小評価している理論結果もあることが分かった。また,22GPaで構造相転移が起こることを見出したが,高圧相の決定には至らなかった。α-FeSi_2については体積弾性率を183GPaと決定できた。理論値にはやはり逆相関がみられるが,実験値は理論値の逆相関関係上におさまっている。つまり,単位胞が小さいと理論は精確な内部エネルギーを与えるとして理解できる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] High-pressure X-ray structural study of BeO and ZnO up to 200 GPa2004

    • 著者名/発表者名
      Y.Mori, N.Niiya, K.Ukegawa, T.Mizuno, K.Takarabe, A.Ruoff
    • 雑誌名

      Phys.Stat.Solidi(b) 241

      ページ: 3198-3102

  • [雑誌論文] Structural study of FeSi_2 under pressure2004

    • 著者名/発表者名
      K.Takarabe, T.Ikai, Y.Mori
    • 雑誌名

      J.Appl.Phys. 96

      ページ: 4903-4908

  • [雑誌論文] Reflection and absorption spectra of beta-FeSi2 under pressure2004

    • 著者名/発表者名
      Y.Mori, Y.Sumida, K.Takarabe, T.Suemasu, F.Hasegawa
    • 雑誌名

      Thin Solid Film 461

      ページ: 171-173

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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