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2002 年度 実績報告書

増感発光効果を用いた液晶表示素子の高輝度・高コントラスト化

研究課題

研究課題/領域番号 14550032
研究機関秋田大学

研究代表者

山口 留美子  秋田大学, 工学資源学部, 助手 (30170799)

キーワードネマティック液晶 / 蛍光 / 増感効果 / 表示素子 / 二色性
研究概要

本年度は,緑色蛍光を発するクマリン6蛍光材における液晶中での蛍光増感効果を検討した.
ホスト液晶として,紫外線領域(300nm〜)に吸収を持たないフェニルシクロヘキサン液晶ZLI-1083を用いた.この液晶中におけるクマリン6の吸収スペクトルを測定した結果,440nm付近にピークを有した吸収スペクトル(λ_a : 370〜500nm)であることがわかった.そこで,この領域にほぼ一致した発光スペクトルを有する蛍光材であるBBOT(λ_f : 390〜520nm)を増感剤として用いることとした.ZLI-1083に対しクマリン6を0.5wt%混合した蛍光液晶に対し,BBOTを0〜0.5wt%添加したときの,クマリン6の発光強度の変化を測定した.励起光源として,紫外線蛍光管(ブラックライトλ_<max> : 450nm)を用いた.BBOTの添加量が増すにつれ,クマリン6の発光強度は増加し,0.5wt%添加時には無添加時の約9倍となった.このとき,添加したBBOTの発光スペクトルは,まったく観測されなかったことから,励起エネルギーがBBOTを介してクマリン6に移動していることが明らかとなった.
次に,増感剤として紫青蛍光(λ_f : 350〜450nm)を発する液晶丁15の使用を試みた.T15は3個のフェニル環と,末端にシアノ基とアルキル基(n=5)を有し,室温では結晶状態を示す液晶である.T15をZLI-1083に対し0〜15wt%まで添加し,この混合液晶に対してクマリン6を0.5wt%添加した.その結果,T15が15wt%混合された液晶において,クマリン6の蛍光強度は約10倍に増加した.
増感剤を添加した場合のクマリン6蛍光強度の2色比を測定した結果,BBOT添加においては,5.0から4.5への低下が見られたが,T15を用いた場合には5.0から5.5へ増加することが明かとなった.ZLI-1083中におけるT15の発光2色比が,T15の濃度とともに増加していることから(6.0から6.3),ホスト液晶の配向秩序度が増加したことによって,ゲストの蛍光強度の2色比も増加したものと考えられる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Rumiko Yamaguchi: "Sensitized Fluorescence of Dichroic Dye in Emissive Type Liquid Crystal Displays"Molecular Crystals and Liquid Crystals. (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] 山口 留美子: "ネマティック液晶中における2色性色素の蛍光増感効果"日本液晶学会討論会 講演予稿集. 215-216 (2002)

  • [文献書誌] Rumiko Yamaguchi: "Improvement in Fluorescent Liquid Crystal Displays by Sensitization effect"Proceedings of the 9th International Display Workshops. 173-176 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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