1.本研究の目的は、生体用ヘテロダイン検出分光画像計測装置の研究開発に関するものであり、(1)従来の我々が研究を進めて来たヘテロダイン分光画像技術を、更に高い空間分解能を有する技術にすること、(2)測定分光領域の拡大や高ダイナミックレインジのヘテロダイン分光技術の研究開発、(3)生体試料の分光画像測定などの研究開発である。 2.(1)まず目的の2番目の高ダイナミックレインジのヘテロダイン分光技術の研究開発を行った。我々が従来提案してきた周波数シフターの動作で周波数シフトを受けた回折光が波長が変化しても常に同方向の光路の光学系では、光学部品の数が多いためロスが大きくダイナミックレインジが小さい。そこで、光学部品の数を減らした変形マッハツェンダー干渉計の構築を行い従来のものより高ダイナミックレインジ分光が実現した。 (2)次に、目的の1番目の高空間分解能技術の研究開発に関しては、設計開発した共焦点走査型光学系を試作構築した干渉光学系の光路の中に配置して実験を行った。横分解能は幅400μmの物体のエッジが鋭利に分解出来た。奥行き方向の縦分解は約2mmであった。 (3)生体組織の分光学的特性の測定は、改良したヘテロダイン分光技術を用いて、分光に関してはネオジウムガラスの吸収波長と吸収が少ない波長を用いて疑似生体試料、ハム、鶏のささみの分光画像を取得した。疑似生体試料や散乱体である爪、軟体動物、鳥の手羽先の分光画像計測にも成功した。
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