研究概要 |
中赤外域の2-5μm波長範囲で同調可能なコヒーレント光源が、ガスセンシングや微量ガスのモニタリング、分光分析など様々な分野で用いられている。本研究の目的は、Continuous-wave(CW)半導体レーザー(680nm帯)励起の狭帯域Cr^<3+>:LiSrAlF_6レーザー(850nm)とレーザー発振器内部に擬似位相整合(QPM : Quasi Phase Matching)を利用したPPLN(Periodically poled lithium niobate)結晶を組み合せ、2〜5μm域を連続的にカーバする可変波長光を発生できるシステムを開発する。 本研究を行うにあたり、次のような実験と解析を行いました 1)Cr^<3+>:LiSrAlF_6レーザーのスペクトル狭帯域化 2)同調可能な差周波発生の実験とCO2ガスセンシングへの応用 差周波発生には擬似位相整合を利用したLiNbO_3(PPLN : Periodically Poled LiNbO_3,グレーティング周期22.58μm)を用いた。Pump光(825-870nm)の波長とPPLN結晶の温度を変化させることで、発生した中赤外光の同調を行った。さらに、可変波長レーザーの波長を変化させ微小同調を行いCO_2の吸収分光測定を行った。 可変波長半導体レーザーの波長825〜865nmの間で変化させて同調を行った結果、PPLN結晶の温度を60〜120℃の間で変化させることで、1つのグレーティング周期で3.7〜4.8μmの範囲で中赤外光の同調を行うことができた。また、差周波発生出力をCO_2の吸収線(λ=4.19μm)にあわせることで、大気中のCO_2の吸収スペクトルを確認できた。
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