研究概要 |
コンピュータ・ルータ内部の光化を低コストで実現することを目的として,アクティブ光プリント基板(A-PCB)と3次元マイクロ光スイッチングシステム(3D-MOSS)のアーキテクチャ・プロセス設計を行なった. 1.アーキテクチャ 1024×1024 3D-MOSSモデルを作成した.当研究室提案の導波路プリズム型スイッチを埋込んだ導波路フィルムを積層し,3D光ネットワークで連結した構成を持つ.フィルム積層数をパラメータとして,BPM/FDTD法により性能をシミュレートした結果,積層数4が最適アーキテクチャであることを見出した.このとき,挿入損失は29dB,サイズは1.4×0.6cm^2で従来の1/36,スイッチングレートは2×10^51/sでMEMSの1000倍と予想される. フィルム位置ずれ対策として,当研究室発案の自己組織化光ネットワーク(SOLNET)を導入したSelf-Organized Micro Optical System(SELMOS)を考案した.セルフアライン光結合が可能となるため,1μmのずれがあっても挿入損失32dBに抑えられることを,BPMにより明らかにした. 同様な考察はA-PCBにも適用でき,アーキテクチャの基本形を確立することができた. 2.省資源集積化プロセス 省資源集積化プロセスPL-Pack with SORTのプロセスフローを設計した.薄膜半導体素子を,waferからGelPak基板にEpitaxial Lift-Offにより移植,さらにPre Transfer/Final Transferにより,UV露光でパターニングした最終基板上の高接着領域に選択的に一括移植し,ポリマフィルム中に埋込み集積化する.これにより,半導体消費量が1/10-1/10000,半導体-フィルム間ストレスが1/10以下に低減できることを明らかにした. 次年度は,本年度の設計に基づき,導波路フィルムの試作・評価実験を行なう.
|