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2002 年度 実績報告書

SF_6ガスの地球温暖化とオゾン層破壊の基礎的分光研究

研究課題

研究課題/領域番号 14550046
研究機関福井大学

研究代表者

北嶋 巌  福井大学, 工学部, 教授 (80020238)

研究分担者 仁木 秀明  福井大学, 工学部, 助教授 (00135758)
キーワードSF_6ガス / 赤外多光子励起 / 準連続状態 / 分解生成物 / オゾン / 9.6μm吸収 / CO_2レーザー / 光音響分光
研究概要

1997年の京都議定書により地球温暖化ガスとして規制されているSF_6ガスは、同じく規制されているフロンガスのようにオゾン層破壊には寄与していないと報告されている。しかし、我々が行ってきた絶縁評価の実験では、O_2と反応した数種の分解生成物が発生することを確かめている。そこで本研究では、(a)SF_6の温室効果のメカニズムと、(b)紫外線で分解生成される活性分子のオゾン生成への影響について調べることにした。
(a)SF_6はCO_2レーザーの可飽和吸収体として用いられ、1分子当りの光子吸収量が大きい。これは振動モードが多く、縮退していることや構成原子が重いことにより、振動回転準位が広がり低いエネルギーから準連続状態になっていることに起因する。250ns幅のCO_2レーザーの各分枝を用いたポンプ・プローブ実験では、励起後の緩和において吸収スペクトルの変化と500μs以上の長い暖和時間を観測した。準連続状態は大きなエネルギーリザーバーとして働き、赤外域の多光子吸収を促進していると考えられる。結果として熱保存に寄与していることが分かった。
(b)SF_6はフロンと同じくハロゲンを含んでいるが、Fはすぐに安定なHFとなるそうである。しかしSF_2O,SF_2O_2,SO_2などの分解生成物は、不安定でオゾンの生成・分解に関与する可能性が高い。そこで酸素を放電させ、CO_2レーザーの9.6μm域に特有の吸収を観測しオゾンの発生を確認した後で、フロンとSF_6を別々に酸素に添加して放電させオゾンの生成率を比較した。その結果SF_6を添伽した場合も同様にオゾン生成率が低下した。この実験には微量成分検出に有効な光音響分光法を用いたが、まだ定量的データの集積は行えていない。今後の課題である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 北嶋 巌: "赤外2重共鳴法によるSF6高振動励起状態の動的分光研究"福井大学工学部研究報告. 50,1. 139-146 (2002)

  • [文献書誌] 北嶋 巌: "SF6放電生成物によるオゾン破壊のレーザー分光研究"福井大学工学部研究報告. 50,1. 147-153 (2002)

  • [文献書誌] 時田 茂樹: "近赤外半導体レーザーを用いた光音響ガス検出装置の開発"レーザー研究. 30,4. 193-198 (2002)

  • [文献書誌] 田中 淳一: "SF6放電生成物によるオゾン分解のレーザー分光測定"応用物理学会北陸・信越支部学術講演会講演予稿集. 2C-9. 66 (2002)

  • [文献書誌] 酒井 政則: "共鳴型セルを用いた近赤外半導体レーザーによる光音響分光分析"応用物理学会北陸・信越支部学術講演会講演予稿集. 2C-10. 67 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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