• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

集中質量型高感度プローブによる局所弾性のナノ分解能マッピング

研究課題

研究課題/領域番号 14550065
研究機関秋田大学

研究代表者

村岡 幹夫  秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (50190872)

キーワード原子間力超音波顕微鏡 / 集中質量型プローブ / 弾性マッピング / 接触共振 / 圧電セラミックス / 探針接触角 / 微弱加振力 / ナノ分解能
研究概要

独自の集中質量型プローブを用いた安定なナノ分解能高感度弾性マッピング(弾性分布の画像化)を実現するため,動作不安定要因の抽出およびその改善を行った。次の結果を得た。
(1)マクロ試験と実物の比較から,実物AFMを用いた振幅スペクトルにおける寄生共振ピークは,加振用ピエゾ(圧電セラミックス)固有の特性により生じているものであることがわかった。また,弾性マッピングにおけるスペクトルの予備計測の際には,プローブのねじり共振および加振用ピエゾの特性がスペクトル計測に影響を与えないように,加振力を十分小さくして計測する必要がある。また,探針接触時においても多数ピークが出現するが,理論通り接触力の変化に敏感な共振ピークに注目すべきである。
(2)AFMプローブはカンチレバーホルダーに固定されて使用されるが,探針以外が試料表面に接触しないように,試料表面に対して例えば17°の角度でAFMプローブ(片持はり)が取付けられている。これにより探針は試料表面に垂直に接触するのではなく,17°の傾きが生じる。そのため接触共振周波数を計測する際に探針が横滑りをおこしてしまい,十分な接触力が得られず,検出感度が悪くなる。試料台と試料の間にくさび形のスペーサーを挿入し,試料表面とAFMプローブ(片持はり)の角度差を小さくするという簡易対策により,弾性的性質の検出感度が向上する。
(3)スライドガラス表面,太陽電池用多結晶シリコンの研磨面,ハードディスクの磁性膜表面およびPZT薄膜表面について,上記対策を踏まえ本集中質量型プローブを用いて,表面形状と弾性分布の画像を同時に安定に取ることができた。弾性分布の画像では,表面形状には現れない組織,材質等の場所的な違いを反映した表面性状を数十ナノメートルの分解能でみることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Mikio MURAOKA, Hiroki KAMATA: "Nanometer-resolution Mapping of Local Elasticity by a Sensitive AFM Cantilever with Its Mass Concentrated(Invited paper)"Proc. 2nd Int. Symp. on Instrumentation Science and Technology, Jinan. Vol.2. 21-24 (2002)

  • [文献書誌] 村岡幹夫, 鎌田裕毅: "高感度原子間力超音波顕微鏡によるナノ分解能弾性マッピング"第46回日本学術会議材料研究連合講演会講演論文集. 339-340 (2002)

  • [文献書誌] Mikio MURAOKA: "Sensitive Detection of Local Elasticity by Oscillating an AFM Cantilever with Its Mass Concentrated"JSME Int. J., Ser. A. Vol.45,No.4. 567-572 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi