物体に、急激な熱衝撃が負荷されると相変態が生ずる。この相変態による焦点化現象は、熱応力焦点化現象を軽減する方向で働くので、この現象を有効に利用することにより、熱衝撃を緩和し耐熱衝撃強度を増加させることが出来る。本研究では、相変態による焦点化現象のマイクロメカニックス解析を厳密に行いそれを利用して、耐熱衝撃強度特性を持った粒子分散系複合材料を開発しようとするのが研究の目的である。平成15年度は以下の研究を行った。 1.相変態を伴う粒子分散系複合材料の熱応力焦点化現象の解明 ジルコニア球状粒子を含む弾性複合材料が衝撃的に加熱された場合、球状粒子内に熱応力焦点化現象が生じ、これを軽減する形でeigenひずみによる応力焦点化現象が生ずる。この現象を波線法を用いて厳密に解析し、アメリカで行われた熱応力国際会議で発表した。また、相変態ひずみでの球状粒子を含む弾性複合材料が相変態が生じた場合、球状粒子内の相変態応力焦点化現象による相変態応力波の波動現象による応力焦点化現象を解明し、母材内の周期的な波動現象の干渉効果を厳密に解析し、徳島大学、神戸大学で行われた日本機械学会講演会で発表した。 2.YAGレーザーを用いた透明セラミックス複合円柱の応力波伝播の実験的検証 透明セラミックス透明丸棒中の熱応力の波動現象から、照射されるエネルギーの強さと、棒中で発生する熱応力の関係を精密に計測し、計測された熱応力の波動現象により生ずるひずみエネルギーを解析し、富山大学で行われた日本機械学会講演会で発表した。
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