研究概要 |
生産システム全体の知能化には,人間の介在が必要不可欠である.しかし,現状のIS06983に基づくNCデータを人間が介在する分散生産環境におけるインタフェースとして用いた場合,受け取ったデータだけで加工対象および加工作業に関する情報を理解することが困難であるため,人及び機械が加工データの確認,変更,削除を容易に行う事ができない問題点がある.さらに,製品モデルデータといった外部情報と結びつける機構を有していないため,検索,変更のための基本情報がなく,結果を設計,工程設計へのフィードバックすることが困難であるといった間題もある.そこで,本研究では,人-機械システム間のインタフェースとして,XMLに基づいた加工定義データ表現MDDML(Manufacturing Definition Data Markup Language:加工定義データマーク付け言語)を新たに提案し,以下の項目について研究を行い以下の結論を得た. 1)加工フィーチャに基づく加工定義データ情報モデルのEXPRESSモデル構築 加工作業プロセスをIDEF-0表現する事により,加工定義データの要件を明らかにした.次に要件を満たす加工定義データ情報モデルを,研究者ら提案してきた形状創成関数に基づくフィーチャモデルを採用し,IS010303で規格化された情報モデル化言語EXPRESSを用い記述を行った. 2)加工定義データ情報モデルに基づく加工定義データマーク付け言語(MDDML)の構築 1)のモデルを基に,加工定義データマーク付け言語(MDDML)を提案した.その際,これまで提案したEXPRESSからJava言語への変換方法に基づき,EXPRESSからXMLへの標準変換手法を確立した. 3)MDDMLに基づく加工システム開発とシミュレータによる検証 上述のMDDMLを処理可能な分散生産環境ネットワークにおける加工システムをパソコン上で実装し,出力されたNCデータを用いて,本研究の有用性について検討を行った.
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