研究概要 |
生産システム全体の知能化には,人間の介在が必要不可欠である.しかし,現状のISO6983に基づくNCデータを人間が介在する分散生産環境におけるインタフェースとして用いた場合,受け取ったデータだけで加工対象および加工作業に関する情報を理解することが困難であるため,人及び機械が加工データの確認,変更,削除を容易に行う事ができない問題点がある.さらに,製品モデルデータといった外部情報と結びつける機構を有していないため,検索,変更のための基本情報がなく,結果を設計,工程設計へのフィードバックすることが困難であるといった問題もある.そこで,本研究では,人-機械システム間のインタフェースとして,XMLに基づいた加工定義データ表現MDDML(Manufacturing Definition Data Markup Language:加工定義データマーク付け言語)を新たに提案し,以下の項目について研究を行い以下の結論を得た. 1)MDDMLと製品モデルデータのXMLによる統合法の開発 前年度提案した加工定義データ情報モデルに対し,製品モデルとの関連情報を洗い出し,EXPRESSモデルとして表現した.次に,そのモデルに基づいて加工定義データマーク付け言語(MDDML)を拡張した.さらにCADとの連携などを考えたとき,独自のモデルを用意するより,規格化されたモデルを採用するほうがよい場合があるため,CNCデータモデルISO14649で定義している加工形状特徴をMachining Featureモデルとして採用した. 2)分散生産環境ネットワークにおける相互参照型MDDML管理システムの開発と有効性の検証 上述の加工作業データのXML表現を処理可能な分散生産環境ネットワークにおける加工作業データ管理システムを実装した.これは,加工作業データのJava表現を利用し,Javaにより,データの保管,検索,管理を行うシステムを構築した.
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