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2004 年度 実績報告書

高硬度金型材料のエンドミル加工における工具摩耗の検討

研究課題

研究課題/領域番号 14550103
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

中川 平三郎  滋賀県立大学, 工学部・機械システム工学科, 教授 (50033345)

研究分担者 廣垣 俊樹  同志社大学, 工学部(転職), 助教授 (80275172)
キーワード高硬度金型材料 / エンドミル加工 / 工具摩耗 / 抵抗変動 / 逃げ角 / コーティング膜
研究概要

AlTiNコーティング工具によって,焼入れ金型材料,耐食性金型材料のエンドミル加工を行って,その磨耗形態と工具寿命の関係を明らかにしてきた.さらに加工条件が工具寿命や工具の摩耗に及ぼす影響も明らかにした.これらの結果は以下の通りである.
1)エンドミル加工は断続切削であるために切削抵抗は工具1回転中に刃数分変動している.ところが,工具の軸方向にある特定量切込みを与えると全く抵抗の変動がなくなることを明らかにした.とりわけ高硬度材料の加工では切削抵抗,特に法線抵抗値と変動成分が非常に大きくなるために抵抗値の変動は工具の倒れ量に直接影響をし,このことが工具と工作物の幾何学的干渉を複雑にし,工具寿命に何らかの悪影響を及ぼしていると考えられる.実際に工具寿命試験を行なうと,抵抗値が変動しない条件では寿命が数倍伸びることを明らかにした.科学的には工具に振動が工具の干渉条件,すなわち工具の実すくい角や逃げ角が大きく変動することがわかった.さらに工具逃げ角が小さくなる箇所で工具の逃げ面摩耗が大きくなった.切削抵抗が変動しない場合には,エンドミルの刃先全体が均一に磨耗するが,切削抵抗が変動する場合には部分的摩耗が進行し,結果的にこのことが工具の寿命を短くしている.
2)ステンレス鋼のエンドミル加工においては,切削熱の分散が上手く行かないために切削速度を上げることができないが,摩耗係数の小さいなコーティング膜を新たに開発して実験したところ,発生する切削熱を抑制することができ,その分加工速度を上げられる可能を明らかにした.被削材料によって最適な加工条件は大きく変わることが明らかになった.
3)高硬度金型材料や溶着性難削材料を加工するとき,工具の摩耗は切削抵抗,振動などの力学的因子,溶着などの熱的因子,拡散などの化学的因子を考慮して加工条件を決めなければならない.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004 2003

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] エンドミル加工における軸方向切込み量が工具寿命に及ぼす影響2005

    • 著者名/発表者名
      中川, 松芳, 廣垣
    • 雑誌名

      精密工学会誌 71-2

      ページ: 273-277

  • [雑誌論文] レーザドップラ振動計を用いた加工時におけるびびり振動の実験的解析2004

    • 著者名/発表者名
      杉山, 中川平三郎
    • 雑誌名

      精密工学会関西支部 2004年

  • [雑誌論文] 5軸制御マシニングセンタによる多刃エンドミル加工面の高精度化2003

    • 著者名/発表者名
      中川平三郎, 廣垣俊樹 他
    • 雑誌名

      精密工学会誌 69-3

      ページ: 17-21

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] レーザドップラ振動計を用いた加工時のエンドミル振動挙動の計測法2003

    • 著者名/発表者名
      中川, 廣垣, 栗田
    • 雑誌名

      精密工学会 2003年度春季大会講演論文集

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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