研究概要 |
平成14年度では,次の2つのシステムを開発した。 1.顧客の感性に基づく基本意匠形状提示システム(顧客データに基づく基本意匠形状提示) (1)顧客の陰的アクションに基づく基本意匠形状の構築サブシステム 製品の販売実績を顧客の意匠形状に対する感性に基づく陰的な感性アクション(陰的認知行動)として認識し,製品の販売実績の変化を統計的に分析することにより,顧客が次の製品に期待・要求する意匠形状を予測し,ヒット形状として提案するエージェント型サブシステムを開発した。 (2)顧客の陽的アクションに基づく基本意匠形状の構築サブシステム 形状に対し感ずる印象をアンケート調査し,その分析より意匠形状に対する抽象化感性言語を抽出した。同結果を顧客の意匠形状に対する陽的アクション(陽的認知行動)として捉え,次期製品のコンセプトが決定したときに,コンセプトに沿った意匠形状を提案するエージェント型サブシステムを開発した。 2.デザイナの感性に基づく基本意匠形状改良システム(デザイナ感性に基づく基本意匠形状改良) (1)デザイナの陰的アクションに基づく基本意匠形状の改良サブシステム 意匠形状に対してデザイナが陽に意識することなく感じている感性(陰的アクション)を脳波として測定し,その分析に基づき,よりデザイナの意図に沿った形状を提案する機能を開発した。このプロセスを繰り返し,デザイナが期待・要求する意匠形状へ導くナビゲーション機能(可到達行列とグラブ理論により実現)をもったサブシステムを開発した。 (2)デザイナの陽的アクションに基づく基本意匠形状の改良サブシステム 意匠形状に対するデザイナの陽的なアクションにより意識的に形状修正を行えるサブシステムを開発した。このとき,形状修正は,感性言語をマイクから入力することにより実現することができる。また,修正部分の指示は,デザインが無意識に注目している視点位置を対象とすることとし,システムの操作が煩雑になる問題を解決している。
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