研究概要 |
本研究では,アプリケーション間で製品情報を正確に伝えることを目的に,製品モデル表現の国際規格STEPのしくみに基づいて,異なるアプリケーションのモデル間の対応関係を規定する作業を支援する手法としくみを提案し,それを実現するツールを開発することを目指した. 今年度は,昨年度に開発したプログラムの見直しを行い,研究計画の(A)データ構造とその基本操作手法について改良を加え,(B)対応付け情報の出力について拡張を行った.また(C)情報要件を実現する制約の記述のための基礎的な機能として,基数関係の表示機能の開発を行った. (A)の改良については,昨年度の開発過程でプログラムの構成が煩雑化したため全体のプログラムの整理を行うことを目的としたが,予想以上の労力を必要とし,計画全体の遅れをもたらすこととなった.しかし基盤となるEXPRESS-Gの機能の整理と不具合の修正が行え,今後の開発に備えることができた.(B)については対応表,EXPRESS-Xの出力をほぼ完成した.EXPRESS-Xの残された課題の部分は,インスタンスの処理と関連するものであり,残念ながら今後の課題である.(C)については,制約のうちもっとも基本的でかつ頻出する基数制約について研究を行った.基数関係は,対応付けの際に問題となる可能性が高いにもかかわらず,認識が困難であり,対応付け作業の障害になりやすい.このため指定した参照経路に対して基数の値を表示する機能を開発し,対応元モデルの基数関係と対応先モデルの基数関係の照合を可能にした.
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