研究概要 |
様々なマイクロ生産技術の進歩により,マイクロ/ナノメートルレベルの微小部品を作成できるようになった。しかしながら,現状の生産技術は主に単品生産の色合いが強く,またそこで使用されている装置も高価なものが多く,生産される製品はコスト的に高いものになると予想される。そこで,量産技術である型技術を応用し,安価な微小部品を作成する手法を考案した。型技術を応用した微小部品の作成は,近年プリント技術と組み合わせて広く研究されているが,3次元構造物を作成するまでには至っていない。本研究では,作成する微小部品の材料は光硬化性樹脂とし,全体寸法で数100μmレベルの3次元構造物を作成することを目標に成形装置を開発した。 前年度は成形装置および装置を制御するプログラムを作成し,動作確認を行った。本年度は本格的に成形実験を行い,その成形精度の確認を行った。その結果,直径100μ皿の円柱形状をアスペクト比3程度の高アスペクト比で作成できることを実証し,この技術を応用し,数100本の円柱を持つマイクロピラーの作成を行った。また,傘のような形状でオーバーハングのある3次元形状を作成した。以上行った成形実験より,数100μmレベルの部品であれば,この成形手法で複雑な3次元形状をもつ部品の大量生産が可能であることを確認した。これらの技術は,バイオ,情報,電気製品その内部の部品を作成するときに応用できる技術である。
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