本研究は、極薄板である箔をシェルのような立体的な形状に成形する方法を提案することを目的としている。プロセスは、第1工程で箔から波形状の薄板構造体を作り、第2工程で折り畳んだ提灯を伸ばすようにして張出すという2段階加工である。 昨年度まで、機械的に波形板を作製するプロセスを検討し、本研究提案プロセスの実現性を検討してきた。本年はその結果を基礎とし、本研究の主目的であるリソグラフィー加工による波形板の作製方法を検討した。 リソグラフィー加工遂行に関して、以下の成果が得られた。 1.実験装置として、光源は水銀キセノンランプ、レジスト塗布用に回転数が調整できるスピンナ、乾燥炉として電気炉を用意した。 2.レジスト、専用現像液、剥離液は市販のもの、エッチング液は市販の薬品を混合し自作した。3.マスクパターンは縞状としたが、パターン原図をパソコンで描き、ポジ写真で縮小するという方法で自作した。 本年では加工条件の最適値を見つけるため、予備的検討として、取り扱いの観点から箔でなく板厚0.6mmのアルミニウム板に対しリソグラフィー加工を施した。その結果、以下の結果が得られた。 4.露光時間は3分程度、現像時間は5分程度がよい。 以上の結果、アルミニウム表面に10μm程度のピッチで規則正しい凹凸を作製することができた。すなわち、この加工を箔の両面に施せば、波形状板が作製できるとが確認できた。しかし、問題点として、本年の条件では加工(エッチング)深さを大きくするためには、長時間を要することもわかった。
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