研究概要 |
1.等速継手の空間機構としての自由度解析 ツェッパ等速継手と一対で乗用車の前輪駆動系に使用されるトリポード等速継手の運動学,力学特性を,使用状況および構成部品の加工誤差等を考慮して検討するために,入力軸,出力軸とフレームの相対位置,球面ローラとその案内溝またはトリポードの球形先端と円筒ローラ内筒のピッチ半径および三つの案内溝の分割角を独立に設定できるようにした空間リンク機構としてモデル化し,この機構の自由度を解析した. 2.構成部品の閉回路方程式の導出その解法 構成部品が点または線で接触している高次対偶を含む等速継手の隣接する構成部品の接触状況(対偶の自由度)が分かるとそれらの間の相対位置決定変数の数が決まる.1.で得られた運動学モデルを基にトリポード等速継手の構成部品に関する必要かつ十分な数の閉回路方程式を導出した.この非線形連立方程式を申請者らの手法を応用して解き,構成部品の相対運動を厳密にシミュレートする解析ソフトを構築した.そして,ハウジングおよびトリポードに対する円筒ローラの相対運動特性,出力角誤差特性および案内溝法線力,ハウジングスラスト力などの変化特性を明らかにした. 3.等速軸継手系の入出力関係の実験解析 トリポード等速継手がツェッパ等速継手と一対で乗用車の前輪駆動系に使用される場合の運動学,力学特性解析の基礎として,トリポード等速継手,ツェッパ等速継手および動力伝達軸からなドライブトレインの入力軸と出力軸をフレームに回転対偶させ,それらの相対位置を任意に設定できる実験装置を設計・製作して,入出力関係を測定した.
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