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2003 年度 実績報告書

低騒音プラスチック歯車の開発および射出制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14550132
研究機関宮城工業高等専門学校

研究代表者

大久 忠義  宮城工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (40099768)

研究分担者 庄司 彰  宮城工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40042246)
キーワードプラスチック歯車 / 射出成形 / 成形変質層 / 開発 / 射出制御 / 騒音 / 摩耗 / ポリアセタール
研究概要

当該研究課題の成果はASME・DETC2003での1件、日本設計工学会東北支部学術講演会および精密工学会春季大会講演会の2件である。一般に実用に供される射出成形プラスチック歯車は歯車強度の観点から薄い変質層が要求される。しかし、静音性への要求が高まる中、メンテナンスフリー歯車の開発も望まれ、射出成形プラスチック歯車に生じさせる変質層を積極的に利用する提案は射出成形プラスチック歯車の静音性に有用である。本課題では静音性に優れたプラスチック歯車の開発の一助とするため、結晶性樹脂の射出成形プラスチック歯車の歯に生成される成形変質層が射出条件によってその厚さと機械的性質が影響されることを示し、各種成形条件で作られた歯車の騒音および磨耗特性を検討した。本課題ではポリアセタールコポリマとホモポリマの2種類の樹脂を選び、種々の成形条件で射出成形した。2種類の材料の歯車特性は共にシリンダ温度より金型温度によって変質層の大きさが変化し、金型温度が低いほど変質層厚さが大きくなることが偏光顕微鏡観察から判明した。さらに、歯車の歯の機械的性質と同時に変質層深さを推定できる微小硬さ試験から、歯の内部深さに対する硬さは内部ほど増す傾向を示した。歯車の騒音は精度により大きく左右するため、歯形試験歯筋測定等を行ったが、歯車の精度はJIS4級以内であった。これらの歯車の騒音と磨耗は、動力吸収式歯車試験から、変質層厚さが薄い歯車ほど騒音レベルが高く、変質層の厚さが大きくなる金型温度の低い条件で作った歯車ほど変質層による衝撃吸収、自己潤滑効果が高まり、全域にわたって騒音レベルが低くなることが明らかになった。歯車の磨耗では軟質な変質層の大小に起因し、樹脂の固化温度と割振度の差が大きい条件で作製した歯車において歯車の磨耗が増加する傾向を顕著に示した。以上のデータから適正な射出条件による低騒音プラスチック歯車の成形法を示すことができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tadayoshi Ohisa, Akira Shoji, Masanori Sasaki, Katsmni Inoue: "A Study on Noise and Wear of Injection Molded Plastic Gears with Deformed Layer"DESIGN ENGINEERING TECHNICAL CONFERENCE & COMPUTERS AND INFORMATION IN ENGINEERING CONFERENCE. DETC2003. 1-6 (2003)

  • [文献書誌] 矢野 潤, 庄司 彰, 大久忠義: "射出成形プラスチック歯車の騒音と摩耗に及ぼす成形条件の影響"日本設計工学会東北支部平成15年度研究発表講演会講演論文集. 77-78 (2003)

  • [文献書誌] 矢野 潤, 庄司 彰, 大久忠義: "射出成形プラスチック歯車の成形変質層と騒音特性(成形条件の影響)"精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. (CR-ROM版). 61-62 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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