研究課題
最終年度の本研究では、多段軸流ターボポンプ内部に非定常キャビテーションが発生した際のキャビテーション流動特性のうち、二段翼列を用いた二次元解析によって再現可能な特性を解析した。計算対象となる流れ場は、作動流体を水-空気系とする三枚周期二段平板翼列流れとし、そこに発生する非定常キャビテーション流れおよびキャビテーション不安定現象の数値解析を行った。二段翼列における前段翼と後段翼の翼間隙間が流れ場に与える影響を検証した結果、翼間隙間からの流れによってキャビテーション自体の非定常性を増加させることにより、キャビテーション不安定現象の発生を抑制できることを示した。さらに、数種の翼列配置を用いた数値解析結果の比較により、キャビテーション不安定現象の発生を抑制し、かつ高吸込み性能である翼列配置を検討した。なお本結果は、2005年の国際会議(FEDSM2005-HoustonおよびAICFM8-China)にて口頭発表予定である。さらに、本研究で提案している水・空気系の気液二相流れの局所均質媒体モデルに、新たに凝縮性気体である蒸気の質量保存式を連立させ、水・蒸気・空気系のモデルへの拡張を行った。前年度から検討していた定式化を完了し、本年度はこの新たな計算方法をキャビテーションを伴う気中水噴流の解析に適用し、ノズル内部で発生するキャビテーションが、ノズル外部の噴流界面に及ぼす不安定性について解析を行った。その結果、ノズル内で発生したキャビティクラウンドの崩壊時の衝撃圧が噴流界面に大規模な変形を引き起こすことを明らかにするとともに、水・蒸気・空気系の現実的なキャビテーション流れのシミュレーションを可能とする手法を開発した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (8件)
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