1 微生物の連続観察実験と生体分子の反応機構の研究 平成14年度に構築した実験設備を用いて、数種の単細胞微生物の観察を行った。 (1)細胞分裂の過程(時間変化)の基本的特徴を把握した。 (2)細胞数を、正確にてばやくカウントできるようにした。 (3)酵母以外に、原核微生物の基本培養実験も実施した。 (4)細胞サイズの頻度分布データについて、様々なデータをえることができた。 (5)また、生体内分子(DNA等)の反応プロセスに関する基礎実験も行った。 これらのデータを、現在分析中である。 2 分子力学シミュレーション 分子力学シミュレーションを実施可能とし、現在、水分子群中におけるDNAの多分子系でのシミュレーションを進めている。 3 液粒分裂の実験 高速度ビデオシステムを利用して、液粒衝突の可視化基礎実験を行った。精度の高い実験装置構築の必要性があることがわかり、今後、ステップアップした実験装置の企画・設計を検討することとした。 4 理論研究 上記の微生物実験データと理論解析を対比することにより、既に公表した力学理論を、さらに発展させることを、継続して進めた。 5 研究成果の公表(論文・発表等) 平成15年度に、論文・発表3編を行った。平成16年度は、現在、論文・発表1件を予定している。また、本研究の申請当初の企画にはしていなかったことであるが、日本応用数理学会から、「研究会を企画してほしい」との依頼があり、平成16年度、その準備会を企画し、そこで、微生物研究者、バイオインフォマティクス研究者との情報・意見交換を行うことを利用して、さらに、本研究を深めていく。
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