研究課題
本研究では、生命細胞、生命を構成している多様な分子などにおいて、キラリティーとは関係のない非対称の有無を詳細に分析し、その発生の力学的メカニズムを明らかにすることを目的のひとつとしている。酵母や好熱菌などの単細胞微生物の増殖過程を詳細に実験・連続観察し、分裂後のサイズの均一・不均一の程度(サイズの非対称性の程度)を明らかにし、その理由について分析した。また、生命中の様々な分子(DNA、tRNA、rRNA、コドン、アミノ酸)内において、プリンとピリミジンの濃度比が1:1〜1:1.5の間のどこにあるかを、それぞれの分子で明確にし、さらに、その理由を、連続体力学(数理物理学)と確率論モデルによって明らかにした。さらに、生命中分子の分裂メカニズムを明らかにするために、分子動力学と分子軌道法を併用した数値解析も試みた。現在、DNAの二重鎖の分裂過程に関する解析の基本部分を可能としたところである。以上から、生命細胞を高速に増殖するための基本法則の可能性を見出した。なお、本研究の成果として、国内国際会議論文2編、海外国際会議論文1件を提示した。さらに、この研究から得られた微生物の高速・安定培養方法を用いて、微生物(好熱菌)が、100℃付近で、燃料電池の材料に寄生・増殖するといった知見を見出した。これは、燃料電池が屋外で利用される場合の今後の課題となる可能性があり、各種の有機高分子材料への寄生の有無や程度の評価方法を提示している。
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Proceedings of ECCOMAS 2004
Proceedings of AROB 9(Also to be publisher in J.of AROB,2005) Vol.2
ページ: 440-442
Proceedings of AROB 9 Vol.2
ページ: 449-451