研究課題
通常、連続体力学の中にある流体力学では、数千個程度以上の分子群を巨視的にみて、流体粒子と呼んで、その運動を記述している。生命体において、例えば、塩基分子の運動や反応過程をみてみると、塩基の周囲に多数存在する水分子群と相互作用があり、これらの分子群をひとつの仮想的な"粒子"と考えて、連続体力学によって分析しようとする新しい試みである。本研究では、事前に、以下の知見を得て、それをキーとした。・塩基分子は大別して、プリンとピリミジンである。プリンのサイズはピリミジンの1.5倍程度である.・塩基分子以外でも、例えば、細胞サイズにも分布があり、1.5倍程度までサイズに差異があることが多かった。そこで、生命体に現れる、このようなサイズ比が1.5付近である理由と、そのメカニズムの解明を目指した。その結果、・理論、コンピュータモデルと実験を総合すると、1.5付近が必ずしも最適というわけではなく、1.0〜約1.5の間で単純な優劣はつけにくい.このことが、サイズ比、っまり、分子種の多様性を生み出している.・様々なRNA分子の構造の必然性が明らかにされた.RNAの複雑なクローバー構造は、プリンとピリミジン塩基分子のサイズに由来している.・n次のルートnという数列のすべての値が1.0〜約1.5の間にあり、この数列で、生命に見られるサイズ比を表すことができる可能性がある.・この研究で対象としていた微生物研究の中から、80℃以上を好む好熱菌が同レベルの温度で作動する燃料電池で増殖する可能性が見出された。各種燃料電池材料の評価法を提示するといったことなどの成果も生まれた.
すべて 2005
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自動車技術会学術講演会前刷集 No.43-04
ページ: 7-11
日経サイエンス Vol.35, No.6, 6月号
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J. of Artificial Life and Robotics Vol.9
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