研究概要 |
1.三次元渦法の開発 柱状物体まわりの流れは自由乱流に分類されるが,まず,自由乱流の代表例である噴流に対する三次元渦法を開発した. 円形ノズルから静止した水中に噴出する気泡噴流に対する解法である.液相速度に基づくレイノルズ数は13000,気泡直径は0.5mmである.実験におけるノズル出口条件を模擬するため,出口速度にランダムかく乱を与えた.また,周期的かく乱が噴流に及ぼす影響を調べるため,軸対称かく乱,ヘリカルかく乱,2つのヘリカルかく乱を付与した場合を解析した. 解析の結果,従来の実験や数値解析で報告されている,渦度の高い領域に気泡が集中して分布する,気泡の選択的集積が良好に求められることを確認できた.また,ヘリカルかく乱を与えた場合にはノズル出口直後において気泡が急速に分散すること,ヘリカルかく乱の複合を付与した場合には,噴流断面内の直線上に気泡が集中することなどを明らかにできた. 本研究により,気泡を含む自由乱流に対する三次元渦法の基礎を築くことができた. 2.二相流中に置かれた楔形物体の表面圧力の計測 柱状物体として楔形の物体を選び,そのまわりの流れを把握するため,表面圧力の計測を実行した. 二相流が流れる鉛直円管内部に楔形の柱状体を設置し,3箇所の壁面圧力の時系列データを測定した.つぎに,その差圧に対する4種類の特徴変数(平均値,標準偏差,尖り係数,歪み係数)を求めた.この実験を液相流量(0.1-2m/s),気相流量(0.1-5m/s)の条件において行い,流量の影響を調べた. 本実験により,渦法による流れ解析の検証に有効に利用できる,圧力データが取得できた.
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