多段分級方式の基本形である二段分級装置のバッチ式及び半連続式(2段目で中間粉産物の連続抽出を行う)を設計・製作して分級実験を行うとともに2段分級装置の設計法について研究した結果、以下の主な知見を得た。 1.バッチ式、半連続式ともに、粒子に作用する流体抗力に対する遠心力の比を特徴づける遠心効果パラメータの増大に伴って、中間粉産物の質量中位径およぴ変動係数が小さくなり、微細粒径においてより均一な中間粉産物を得ることができる。また中間粉産物の質量中位径が小さくなる程、変動係数が小さくなり粒径が均一化する。 2.抽出流量比が2段目の貫流量の40%以下の半連続式において、バッチ式よりも中間粉産物の質量中位径が小さくなり、変動係数がわずかに大きくなる。したがって、連続抽出を行えば、より微細な領域において中間粉産物の分級精度をほぼ維持したまま連続処理を行うことができる。 3.バッチ式における各段の単段分級装置としての性能について、2段目においても1段目と同程度の分級精度が得られているので、段間接続部における給水システムが適切に働いていると考えられる。 4.2段目において抽出を行うと、2段目の分級精度が1段目よりも少し悪化する。 5.バッチ式2段分級の数値計算により、各段の分級径は単段の実験効果と同様に遠心効果パラメータの一意的な関数として定まるスケール則が成立することが分かった。したがって、このようなスケール即を用いることにより、補正が必要であるが、多段の設計を行うことができる。 6.バッチ式2段分級の数値計算により、1段目に対する2段目のコア半径の比を小さくすると生産性は低下するが分級制度は向上し、他方コア半径比を大きくすると分級制度は低下するが生産性が向上することが分かった。
|