研究分担者 |
須藤 誠一 いわき明星大学, 理工学部, 教授 (90006198)
山口 博司 同志社大学, 工学部, 教授 (80191237)
島田 邦雄 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (80251883)
嵯峨 宣彦 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (80315639)
澤田 達男 慶応大学, 工学部, 教授 (00162545)
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研究概要 |
平成14年度における研究に引き続き,高機能性流体を宇宙において利用する際の最適な応用例の一つである,高機能性流体エネルギー変換装置の開発研究を行った.まず,磁性流体を用いたエネルギー変換装置は,既に考案されているが,流体の飽和磁化が小さいことにより,エネルギー効率がそれほど高く望めなかったという背景から,次の2点における研究を主に推進した. (1)沸騰により気泡を含ませたエネルギー変換装置とし,気液二相流としての流動を持たせた.この熱流動特性について,理論解析と実験を行った.実験結果を理論は説明し得るものであり,また,宇宙空間内におけるエネルギー変換装置の効率を向上させるのに必要な知見を得ることできた. (2)次に,磁性流体より大きな飽和磁化をもち,かつ,MR流体より流体的な安定性が良い,磁気混合流体(MCF)を開発し,この流体を使えば,宇宙空間内におけるエネルギー変換装置の効率が格段に向上することが期待できるというコンセプトの下,その可能性について検討した.結果的には,流体中に含まれる鉄粒子のサイズにより,粒子沈降の問題が生ずるため,エネルギー変換装置に使用する際には,流体成分の選定が重要であることが判った.また,エネルギー変換装置において重要となる磁気圧について実験的に調べ,MCFや磁性流体の磁気圧の相違について実験的に評価した. 以上の研究により,現段階で十分という訳ではなく,まだ多くの知見を得る必要があるが,高機能性流体エネルギー変換装置を宇宙で利用する際の様々な検討を行った結果,設計指針において重要な知見を得ることができた.
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