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2003 年度 実績報告書

応答特性を測定中に自己診断するインテリジェント温度センサの開発

研究課題

研究課題/領域番号 14550179
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

田川 正人  名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (80163335)

キーワード計測 / 温度 / センサ / 時定数 / 応答補償 / ディジタル信号処理 / 周波数応答 / インテリジェントセンサ
研究概要

市販の温度センサの応答速度は低く,通常その遮断周波数は数Hz以下である。このような低速の温度センサでも,熱時定数を知って正しく応答補償すれば応答速度を10〜100倍に高めることができる。しかし,温度センサの応答特性はセンサ周りの流体の種類や速度によって大きく変化する。そのため,センサが使用される環境を網羅するように動特性を校正することは現実には不可能に近く,熱時定数の値を正確に知ることは困難である。最近,筆者らはこの問題を解決できる一般的なアプローチを提案し,二線式熱電対法と名づけた。二線式熱電対法とは,時定数が異なる2つの温度センサを組み合わせて単一プローブとすることで,2つのセンサ出力からそれぞれの時定数を推定できるディジタル応答補償法である。本研究の目的は,この技術をさらに発展させて,応答特性を測定中に自己診断できる「インテリジェント温度センサ」を実現することにある。それには,時定数推定法の理論的基盤を強化するとともに,応答補償アルゴリズムの汎用性を高めて実用化への課題を明確にすることが重要である。
本研究の成果は次のとおりである。1)温度センサとして広く利用されているサーミスタの伝熱モデルを構成して,サーミスタの周波数応答特性を理論的に明らかにした。これにより,サーミスタを用いてインテリジェント温度センサを実現する条件を明確にして,その有効性を実証した。2)高速フーリエ変換(FFT)を利用して,周波数領域で時定数を推定し応答補償する新しい方法を考案した。この方法では,計測ノイズの処理が非常に容易であり,また,温度センサにとどまらず種々の応答特性をもつ物理・化学センサにも対応できる特長がある。以上の研究成果により,インテリジェント温度センサの基盤技術はほぼ完成できた。実用計測システムの設計と製作および実地試験による検証が次の課題である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 田川 正人(ほか3名): "汎用温度センサの応答補償(周波数応答特性の理論解析と熱時定数の同定)"日本機械学会論文集(B編). 69巻・678号. 414-421 (2003)

  • [文献書誌] Tagawa, M.(ほか2名): "Response Compensation of Thermistors : Frequency Response and Identification of Thermal Time Constant"Review of Scientific Instruments. Vol.74, No.3. 1350-1358 (2003)

  • [文献書誌] Tagawa, M.(ほか2名): "Response Compensation of Temperature Sensors : Frequency-Domain Estimation of Thermal Time Constants"Review of Scientific Instruments. Vol.74, No.6. 3171-3174 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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