研究課題/領域番号 |
14550196
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
大竹 浩靖 工学院大学, 工学部, 助教授 (40255609)
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研究分担者 |
宮下 徹 工学院大学, 工学部, 講師 (00100371)
小泉 安郎 工学院大学, 工学部, 教授 (20215156)
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キーワード | 機械工学 / 熱工学 / 熱伝達 / 蒸発・沸騰 / ミスト冷却 / 整理式・モデリング / 切削 / 地球環境 |
研究概要 |
本研究は、地球にやさしいセミドライ(MQL、最小油剤量)切削および完全ドライ(油剤なし)切削の可能性を熱工学的に探ることを目的とする。特に、完全ドライ法に先立ち実用化が期待されているセミドライ(MQL)法に注目して、冷却の観点よりその実用化を熱工学的に検討する。このセミドライ法とは、常温空気に油剤液滴を添加したミスト噴流下で切削加工を行う方法である。この方法は、数十〜百cc/hの植物性油剤の助けを借りるものの、完全ドライ法で必要な極低温空気噴流による顕熱冷却をミスト液滴の潜熱冷却に置き換えることが可能であり、空気量の大幅な減少が期待でき、エネルギー消費をも考慮に入れた環境負荷の低減化が期待できる。本研究では、微細ミスト噴霧流において、空気流速、液滴添加量、液滴径および液滴速度が及ぼす冷却能力(熱伝達率)への影響を実験的に検討するとともに、その冷却機構を明らかにし、前出のパラメータの最適条件を見つける。特に、加熱面上での液体挙動がその冷却能力と密接な関連を有するため、液滴および液膜の挙動を詳細に検討する。 本年度は、昨年度と同じ実験装置を用いて、常温空気噴流に微小水滴を添加する水ミスト冷却実験を行い、水ミストによる冷却特性のデータを蓄積するとともに、液浸法により液滴直径を、レーザードップラー流速計により液滴速度を計測し、冷却機構、冷却特性の実験相関式およびその冷却限界を実験的に検討した。その結果、3種の冷却機構(液滴撹乱、液滴蒸発および液膜蒸発)それぞれに対して、液滴径および液滴速度も変数とした熱伝達の各相関式を提案した。併せて、液滴状の切削油剤を高温壁面上(壁温:室温〜300℃)に落とし、それによる冷却特性を定性的に検討した。 次年度は、より実用的な冷却効果を確認するため、液体として植物性切削油剤を用い、ミスト冷却特性に及ぼす液の粘性および表面張力の影響を検討する予定である。
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