研究概要 |
コンプライアント機構の動的応答と振動抑制の性能を目的関数とした機構の構造トポロジーと制御器の同時最適設計のアルゴリズムを確立し,同時最適化に適したトポロジー最適化サブシステムと制御器設計サブシステムを構築し,実装した.具体的には,下記のことを行った. (1)コンプライアント機構の構造トポロジーと制御器の同時最適設計問題の制御方法,目的関数,設計パラメータ,拘束条件を選定し,定式化を行った. (2)同時最適化問題を解くために,既存の構造解析アルゴリズムと制御設計法を用いて,構造設計を主ループ,制御設計を従属ループとした繰り返し計算アルゴリズムを確立した. (3)確立した同時最適設計法を自動車ハンドルの振動の抑制のための構造設計とコントローラの設計に応用し,良い制御効果が得られた. (4)また,閉じられた空間の内に構造振動により発生する騒音を抑制するために,確立した同時最適設計法を制御コントローラの設計と構造物の厚さを設計し,騒音を有効に抑制した.また,アクチュエータとして利用される壁の周波数応答から,同時最適設計によって,アクチュエータの振動数特性を騒音源となる構造の周波数特性に合わせることで,制御の効率が向上されていることが分かった. (5)更に,確立した同時最適法をハードディスクヘッドアームとして使用できるコンプライアント機構の設計へ応用し,最適な機構トポロジーと制御コントローラを設計した.同時最適設計することによって,機構の重量が減少したと共に,過渡応答の速度が向上され,振動も抑制された.
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