研究分担者 |
高 行男 中日本自動車短期大学, 自動車工業科, 教授 (80141399)
劉 軍 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70345924)
井上 剛志 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70273258)
長坂 今夫 中部大学, 工学部, 助教授 (60102779)
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研究概要 |
機械システムの異常や故障の中で,回転機械のクラック(疲労き裂)に起因する事故は危険度が著しく大きい.したがって,運転中にクラック等の損傷を早朝に,かつ正確に発見する故障診断システムの開発が望まれている. 本研究では,回転機械を止めることなく振動特性の変化を観察することにより,クラックの発生と軸上のその位置を発見する方法を研究した。内容は大きく2つに分けられる. 第1は,クラックが入ったとき,定常応答と非定常応答が,不つりあいの大きさおよび方向によってどのように変化するかという問題を実験と理論により調べた.その結果,定常応答においては不つりあいの方向により不安定領域がでるなど,著しい変化を生じることを確認した。さらに,回転速度を一定角速度で変化させたときの非定常振動特性も調べ,不つりあいによる応答曲線の変化を明らかにした. 第2は,一定回転速度で回転しているとき外部から加振し,その周波数応答からクラックの発生の有無,およびクラックの位置を検出する方法を調べた。その結果,クラックに起因する新しい共振が起きることを明らかにした.理論解析では,FEMモデルにより,発生する共振の種類,大きさ,振動スペクトルがクラックの大きさと位置によりどのように変化するかを明らかにした.そしてこの研究結果を使えば,クラックの位置と大きさと特定できることを明らかにした.
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