研究分担者 |
福田 勝己 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (20134471)
松本 潔 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (10282675)
下山 勲 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (60154332)
星野 一憲 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (30361546)
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研究概要 |
研究スケジュールとしては,2年間での研究を想定し,ナノ流動センサーを組み込んだ微小流路の試作,較正用流路試作とセンサーチップの性能評価および実際の流動制御実験を行い,マイクロ流路における流動特性を計測する.また,実験から得られた知見によって,マイクロ流路内の流動構造を明らかにするとともにナノ流動センサーによる制御システムをもつバイオシーケンサーチップに関する基礎的な知見を取得する.この研究計画に従って,昨年度は深さ80μm,幅100μmの微小流路内にマイクロベンチュリ構造を設計し,圧力差を計測した.また,流体を局所的に加熱した熱マーカ速度を計測した.その結果,気泡を利用する圧力計やポンプでは気体の液相への溶解が無視できないこと,引き出し流路の幅が本流路に較べてあまり小さくできないのでそちらへの流れの分岐が生ずることなど実際に流動制御を行うための基礎的な知見が得られた. 本年度は昨年度の成果をふまえて,マイクロ流動ポンプの設計製作,ナノ流動センサーの製作などを行う計画であった.実際の成果としては,センサとしてベンチュリ構造をもつ圧力センシング用流路やマスフロー型流速計を試作検討し,流動制御用の電気泳動ポンプを組み込んだマイクロミキサーを製作した.また,カーボンナノチューブセンサに関しても,シリコン微細構造の先端に,単層カーボンナノチューブを成長させる実験を行い,最大で10ミクロン程度の間隔を持つシリコン構造にナノチューブを架橋することに成功し,星野らがMEMS2004で公表した.このセンサーによりマイクロ流路内のサブミクロン領域の流速分布が計測が可能に成ると期待される.また,本研究から派生した生物的混相流の研究成果として,リポソームを流した時のマイクロ流動特性について,来年度の機械学会において発表する予定である.
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