研究概要 |
本研究では,非駆動関節を有する複数のロボットをお互いに結合させ,閉リンク構造を持つロボット(パラレルロボット)に形態変化させるという独創的な研究を行っている.これまでに2本の第2関節非駆動2リンク系を水平面内で結合させることを考え,接触させた状態で不定特異姿勢をとることにより,付加的な動力なしに結合が可能であることを示した.この考えをさらに拡張し,3本または4本の第2関節非駆動2リンク系を出力プラットフォームに結合分離することによる水平面内自己変形パラレルロボットを考案した.パラレルロボットは一般に閉リンク構造のために作業領域が狭いことが従来からの欠点であったが,自己変形することにより作業領域の変更が可能になる.本方式の特徴は,結合前の各単体ロボットにおいてモータ数が自由度数よりも少なくなることを許容し,モータ数を最小にしていることである.これを許容するためには,制御法を考案する必要がある.結合前の各単体ロボット先端をお互いに接触させてから結合姿勢に遷移させることにより,制御が容易になることを見出し,そのための動的制御法を開発した.また,動作中に不意に分離することを避ける必要がある,そこで結合しやすく分離しにくい結合機構を考案した.実機を設計製作し,付加的な動力なしに自己変形できることを実験的に確認した. 一方,2本の第1関節非駆動2リンク系を垂直面内で結合させ,閉5リンク系に形態変化できることをこれまでに示している.この形態では転がり移動ができることに着目した.回転時には回転角と閉5リンク系の形状自由度が存在するために,自由度に対してモータ数が不足する状態になる.全自由度を同時に制御しなくてもよいことに着目し,制御変数の切り替えによる動的制御法を開発した.
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