研究概要 |
遠隔操作建設ロボットシステムおよび中心窩レンズを装着したCCDカメラを用いた遠隔操作システムを構築し,以下のような研究を実施した. 1.中心窩レンズを用いた基本システム構築:中心窩レンズを用いたビデオCCDカメラを用いて映像提示システムを構築した.中心窩レンズ付きCCDカメラで取り込まれた画像は,120フレーム/秒でプロジェクタを通してオペレータの前方にあるスクリーンに投影される.オペレータはこれを見ながら作業を行った. 2.臨場感の提示:実験に際しては,建設ロボットに取り付けられた加速度センサからの情報により,オペレータ用椅子の下部にある揺動装置を駆動して,揺動感覚を提示すると共に,操作用ジョイスティックにはマスタ・スレーブ制御による力覚フィードバックを行った. 3.実験による評価:複数の被験者に対して,特定の作業を行ってもらい,通常の立体映像システムと,本提案の映像システムとの作業効率の比較を行った.また,中心窩に相当する部分をどの作業部分に対応させれば最も効率の良い作業が行えるかについても検討・評価を行った. 4.さらに,中心窩レンズによる歪みを含んだ画像を提示した場合および,この歪みをリアルタイムに補正した場合(このとき,中心視野が高解像度,周辺視領域が低解像度の画像となる)における両者の作業効率についても比較・評価を行った. 以上の検討結果により,中心窩レンズを使用した場合,広い視野角に基づく作業性の向上が確認された.
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