研究概要 |
人間の行う作業をロボットが支援する際の、環境や人間動作などの不確実な情報構造のモデリングのためにベイジアンネットワークを導入し推論を行うアプローチに基づき、ヒューマン・ロボットインタフェースとして平成14年度に構成したプロトタイプシステムの改良を行った。 (1)不確実性モデリングと推論に基づく人間作業ガイドシステム:人間が初めて行う機器の操作に対して、システムがその作業物体の変化および人間の手動作などを監視し、作業の手順を適時ガイドするシステムの構成を目指す。平成15年度は、赤外線画像に基づいて作業者の指先位置を追跡する機能を改良し、作業者の手の状態推定の信頼性を向上させるために、Particle filterを用いて事後確率分布を推定しながら視覚追跡を行うシステムを試作し、その適用可能性について検討を行った。 (2)不確実性モデリングと推論に基づくナビゲーション支援システム:福祉ロボットに係わるヒューマン・ロボットインタフェースの課題として、お年寄りや体の不自由な人が車椅子の操縦を行う際に、そのナビゲーションを支援するシステムの構成を目指している。平成15年度は、前年度に構成した電動車椅子への移動方向の指示機能に関して,音声指令のモードを付加すると共に、操縦者の画像から手の肌色領域を抽出し、テンプレートマッチングを用いて操縦者が指差しで指示する方向の推定を行い,指さしによる操縦の信頼性向上を図る改良を行った。また、移動ロボットが地図情報とセンシングデータに基づいて自己位置決め(localization)を行うシステムに関しては、ベイジアンネットワークによるセンサプラニングとパーティクルフィルタによる位置決め精度の向上とを併用するシステムを試作し、シミュレーションによりその有効性を確認した。
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