研究概要 |
関西大学HRC内に設置されているSiプロセスシステムを用いて,微小構造物解析の対象となるマイクロケンチレバーならびにマイクロトランポリンを製作し,有限要素解析ソフトNASTRANを用いてそのFEM解析を行った。並行して,現在までに開発してきたマイクロマシン動特性計測システムを用いて,それらの動特性解析を実験において30-50kHz範囲において行った。その結果,機械構造物としての振動特性のみならず,熱変形における共振特性がマイクロ構造物の伝熱特性として存在することを明らかにした。 この計測において,本補助金により新たに購入した高分解能CCDカメラを用いることによって35kHz近傍においても梁の共振時において1nm以下の測定精度を持つマイクロマシン動特性計測システムへと測定システムの改善をはかることができた。さらに,より高精度な測定が可能なように,補助金にて購入した50mW高出力レーザーを用いた,さらに,空間的縞解析技術の改善によるシステムの測定特性改善を現在進めている。 現在までに改善をはかったマイクロマシン動特性計測システムを用いることにより,申請時に計画した上記の成果以外に,微小構造物に対するレーザー計測において,レーザービームによる数nm程度の熱変形が測定対象において発生していることを明確にした。このことは,微小構造物計測において,光計測技術は,既に非接触計測であるとは考えにくい現象が生じることが分かった。今後,この問題の解決に向けてより詳細な実験を新たに改善をはかることのできた測定システムを用いることによって行う予定である。 以上の成果は,SPIE, ASMEにおける国際会議,精密工学会講演会において報告した。
|