研究課題/領域番号 |
14550249
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
知能機械学・機械システム
|
研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
熊崎 裕教 岐阜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (70270262)
|
研究分担者 |
稲葉 成基 岐阜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (30110183)
羽根 一博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50164893)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
キーワード | 光ファイバ / マイクロマシニング / 光通信デバイス / 光-光制御 / フォトクロミズム現象 / 可変光減衰器 / 可変波長フィルタ |
研究概要 |
本研究では、イオンエッチングによって微細加工した光ファイバとフォトクロミック材料を組み合わせたファイバ型光-光制御デバイスについて検討を行った。 光を照射されることにより物質の色が可逆的に変化する現象をフォトクロミズムといい、その性質をもつ材料をフォトクロミック材料という。長さ45mmの領域を直径18μmに細径化したシングルモード光ファイバの周囲に厚さ500μm程度のフォトクロミック材料を塗布した。実験に用いたフォトクロミック材料は、ジアリールエテンと紫外線硬化樹脂を質量比1:9の割合で混合し、硬化させたものである。ハロゲンランプの光を絞ってファイバの片端に入射し、細径化部に紫外線(365nm,50mW/cm^2)を照射しながら光スペクトラムアナライザを用いて波長1550nmに対する透過光強度を測定した。細径化部の温度は25℃一定に保った。14分間の紫外線照射によって透過光量は約9.5dBm減少した。以前、長さ20mmの領域を直径18μmに細径化したシングルモードファイバの周囲をグリセリンで覆い、グリセリンの温度に対する透過光量を測定した。その結果、60℃のグリセリン温度の上昇により、透過光量は約15dBm減少した。この温度変化によるグリセリンの届折率の変化は0.0132程度といえるので、挿入損失が細径化領域の長さに比例すると考えれば、フォトクロミック材料の屈折率変化は0.005程度であると見積もることができる。同じ方式で可変波長フィルタについて、検討を行った。この場合は、細径化したシングルモードグレーティングファイバ(10/125μm、反射波長1550nm、グレーティング長さ10mm)を使用した。グレーティング部を含む長さ45mmの領域を直径20μmに細径化し、周囲を厚さ200μm程度のフォトクロミック材料で覆った。約10分間の紫外線照射により、反射中心波長は0.2nm程度、短波長側にシフトした。細径化した光ファイバにフォトクロミック材料を塗布し、光-光制御デバイスとして機能させる可能性を示すことができた。フォトクロミック材料の屈折率をいかに要求値に合わせることができるかが、今後の課題である。
|