| 研究概要 |
本研究では,人間親和性をする要素を開発するために,空気圧により駆動する「シリコン外殻型発泡ゴムアクチュエータ」を提案した.本アクチュエータは,発泡ゴムの外側をシリコンゴムでコーティングした構造であり,発泡ゴムの密度により無加圧時の固有剛性を調整することが可能なアクチュエータである.また,アクチュエータが破損し空気漏れが生じた際も,内部の発泡ゴムがクッションとなり,被介護者に対する安全性を確保することができる.実験により基礎特性を明らかにした結果,発泡ゴムが一層型アクチュエータは剛性型となり,二層型アクチュエータは膨張型となることが分かった.また,提案するアクチュエータをサポータ部に応用し,長時間もたれかかった場合における肉体の負担度変化の様子を重心移動量及び心拍数,乳酸値より明らかにした.さらに,アチュエータの構造の違いによる動特性の比較を行った.すなわち,発泡ゴムが二層型の場合,内圧に対し形状変化することから,発泡ゴムの構造として,平板型,くり抜き型について検討を行った.そして,材質の異なる各構造の発泡ゴムに対して,位置制御性能,軌道制御性能を明らかにした.制御則には,階層フィードバック制御則を適用した発泡ゴムの材質としてECZ及びEMMを使用した場合におけるステップ応答及び周波数応答実験を行った結果,平板型発泡ゴムを使用する場合は,発泡ゴムの材質により周波数特性に差が生じる結果となった.それに対し,くり抜き型の場合は,異なる発泡ゴムの材質に対して,ほぼ同じ特性を示すことが分かった.さらに,本研究で提案したシリコン外殻型発泡ゴムを体圧分散可能な欝血防止マットに応用するために,力制御性能に関して検討を行った.その結果,外殻部が一層で内殻部が二層構造を有する外殻一層型を適用することにより,周波数特性に関して良好な結果が得られることが明らかとなった.
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