研究概要 |
本研究は,無声放電を用いた高効率・高濃度オゾナイザの開発を目指す第一歩として,希ガス・酸素混合無声放電によるオゾナイザのオゾン生成効率の放電間隙依存性および希ガス混入率依存性を実験的に調査した。合わせて,流体モデルによるシミュレーションを行い希ガス・酸素混合無声放電の放電特性を調査した。以下に詳細を記す。 希ガスとしてアルゴン,ネオンおよびヘリウムを使用し希ガス・酸素混合無声放電によるオゾナイザのオゾン生成効率を測定した。その結果,放電間隙長が1mm以下の場合,希ガス混入率の増加に伴いオゾン生成効率は単調に減少する一方,間隙長が2mm以上の場合,生成効率は希ガス混入率の増加に伴い増加した。特に,放電間隙長を3mmとした時,ネオン混入率80%のネオン・酸素無声放電によるオゾナイザは純酸素無声放電によるオゾナイザと比べて生成効率が1.4倍程度高くなることに加えて,放電電圧は1/5に低下した。 次に,流体モデルによるシミュレーションを行い,キセノン・酸素混合無声放電の放電特性を調査した。その結果,放電間隙を4mm,印加電圧の周波数を100kHzとした場合,キセノン・酸素混合無声放電はその電圧・電流波形から均一なグロー放電とフィラメント状放電とが混在した過渡的放電であること,1%程度の酸素混入量でさえ放電内の荷電粒子の密度組成は酸素ガス主導の組成となること,および放電内の電気負性度は0.01から10のオーダーと3桁もの広範囲で時間的・空間的に変化することが明らかになった。
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