研究概要 |
時間変調式電力供給源を用いた酸素無声放電によるオゾナイザのオゾン生成効率を実験的に調査すると共に,流体モデルによるシミュレーションを行い希ガス・酸素混合ならびに酸素無声放電の放電特性を調査した。以下に詳細を記す。 時間変調式電力供給源を用いた酸素無声放電のオゾン生成効率に関する実験的研究において,時間変調式電力供給源を用いた場合のオゾン生成効率は放電への投入電力の増加に伴い徐々に減少するのだが,従来の連続方式電力供給源を用いた場合に比べオゾン生成効率は最大で約20%改善された。時間変調式電力供給源によるオゾン生成効率の改善は,任意の放電間隙長でも測定されたが,最適の放電間隙長は連続放電方式と同様,約1mmであった。 次に,流体モデルによるシミュレーションを行い希ガス・酸素混合ならびに酸素無声放電の放電特性を調査した。酸素を微少混入した希ガス・酸素混合放電の放電電圧・電流波形から放電は均一なグロー放電とフィラメント状放電とが混在した過渡的放電であることおよび酸素混入が微少でありながら放電内の電気負性度は3桁もの広範囲で時間的・空間的に変化することが明らかになった。さらに,印加電圧の周波数を1kHzと低周波にした場合の大気圧酸素無声放電の解析から大気圧酸素放電は荷電粒子密度が最大でも10^<10>cm^3程度と低いためグロー放電は形成されず、多重のタウンゼント様放電であることが予測できた。また,計算したオゾン濃度およびオゾン生成効率は実験値と比較して,よい一致を示した。
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