• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

電力用超伝導機器に用いる酸化物超伝導導体の電流一様化と低損失化研究

研究課題

研究課題/領域番号 14550270
研究機関鹿児島大学

研究代表者

川畑 秋馬  鹿児島大学, 工学部, 助教授 (00244260)

キーワード電流分布 / 酸化物超伝導導体 / 酸化物超伝導テープ線材 / ピックアップコイル / 自己磁界分布 / 酸化物超伝導コイル / Bi-2223
研究概要

本研究の目的は、酸化物超伝導導体の電流一様化並びに低損失化のために、酸化物超伝導テープ線材内の電流分布を定量的に評価できる測定法を開発し、種々の電磁環境下における線材内の電流分布特性を明らかにすることである。昨年度は、短尺直線形状のテープ線材内の電流分布について、通電電流や外部磁界の印加条件を種々に変化させて測定できる装置を開発した。さらにこれを用いて、短尺直線状テープ線材における電流分布の通電電流依存性、周波数依存性、磁界振幅依存性、印加磁界角度依存性などの特性を定性的に明らかにすることができた。
本年度は、さらに、酸化物超伝導コイルの交流損失特性と電流分布の関連性を調べるために、コイル巻線形状にしたときのテープ線材内の電流分布について詳細に調べた。その結果、以下に示す研究成果が得られた。
1.コイル巻線内の電流分布を定量的に評価するために、磁界検出用のミニアチュアのピックアップコイルをディジタルノギスと連動させ高精度でコイル表面付近を移動させることで、その磁場分布を高精度で測定できるシステムを開発した。
2.絶縁銅線から成る試験コイルを用いた測定性能試験の結果、測定値と理論値との誤差は最大でも10%程度であることがわかり、本測定法が酸化物超伝導コイル巻線内の電流分布を測定するのに十分な精度を有することを示すことができた。
3.本測定法を高温超伝導コイルに適用してBi-2223単層ソレノイドコイルの電流分布を測定した。測定の結果、コイル巻線内の電流分布は一様分布でないことや、電流分布に通電電流依存性や周波数依存性があることが明らかになった。また、コイル中央付近のテープ線材幅広面に対し平行な外部磁界成分が主である場合の磁界分布のデータや、コイル端部付近の線材幅広面に対し垂直成分の影響が顕著となってくる場合のデータなど、コイル巻線内の電流分布を把握するために有用な測定結果を得ることができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Kawabata: "Measurement of AC current distributions of a Bi-2223 solenoidal coil by a pickup coil method"Proc.of EUCAS-2003. (to be published). (2004)

  • [文献書誌] 川畑 秋馬: "Bi-2223高温超電導コイルの電流分布測定"九州大学超伝導システム科学研究センター報告. 1(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] S.Kawabata: "Measurement of AC Current Distributions in HTS Tapes Exposed to an External AC Magnetic Field by a Compensated Pickup Coil Array"IEEE Trans.Appl.Supercond.. 13・2. 3655-3658 (2003)

  • [文献書誌] 松下 堅護: "外部交流横磁界下における高温超伝導テープ線材の電流分布測定"九州大学超伝導科学研究センター報告. 10. 111-117 (2003)

  • [文献書誌] 川畑 秋馬: "Bi-2223高温超電導コイルの電流分布測定"第69回2003年度秋季低温工学・超電導学会講演概要集. 31 (2003)

  • [文献書誌] 松下 堅護: "外部交流横磁界中における高温超伝導テープ線材の電流分布測定"第67回2002年度秋季低温工学・超電導学会講演概要集. 245 (2002)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi