研究概要 |
本研究では,小形風力発電システムの高効率化と発電システムの簡略化・低価格化を目指し、次の特徴を有する風力発電システムを研究開発した。 (1)高効率埋込磁石同期発電機(IPMSG)の利用 従来の発電機と構造が異なり、高効率モータとして近年注目されている埋込磁石同期電動機(IPMSM)を発電機として利用することで、発電機の高効率化を実現した。 (2)最大出力点追従制御の適用 永久磁石同期発電機をPWMコンバータで駆動することで、発電機の可変速駆動が可能であり、風速に応じて適切なトルク、速度で運転することで、風力エネルギーを発電機入力(機械的入力)として最大限有効利用することが可能となった。 (3)発電出力を最大にする最適電流ベクトル制御法 発電機の電流ベクトルを運転状態に応じて適切に制御することで、発電機の損失を最小にすること、コンバータ容量を考慮して発電出力を最大にすることができた。 (4)センサレス制御の適用 風車からの出力を最大にする最大出力制御は一般に風速の情報が必要であり、風速センサの設置が必要となる。また、同期発電機をベクトル制御するには発電機の位置情報が不可欠で、位置センサの設置が必要となる。 本研究ではこれらセンサを用いないセンサレス制御により上記(2),(3)の制御を実現する方式を研究開発した。上記提案システムの特性をシミュレーションと実験で検討し、高効率発電システムとしての有効性を確認した。
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