研究課題
基盤研究(C)
本研究では、バルク高温超電導体の実用化に必須な技術であるオンサイトでの簡便な着磁および消磁方法について漸増・漸減振動パルスによる方法を提案した。漸増・漸減振動パルスを得るため、小型の同期発電機、LC直列共振回路の過渡現象、および任意波形発生装置を用いて実験を行った。本研究により得られた研究成果を要約すると以下の通りである。(1)交流を用いた振動パルス磁界により、直流パルス磁界による着磁に比べ、より少ないコイルのジユール損失で、2倍以上の磁束密度を高温超電導バルク体に着磁することができた。(2)交流漸減振動パルス磁界を用いた消磁方法により、約700Gaussの初期着磁磁束密度を、残留磁束密度0.1〜0.2mT以下の約1/300まで有効に消磁することができた。(3)着磁用コイルとキャパシタを直列に接続したLC共振回路に、ステップ的に一定電圧の交流電圧を印加すると、漸増振動パルス電流が流れ、これにより漸増振動パルス磁界が得られることが確認された。(4)IGBTを用いたインバータ回路による任意波形磁界発生装置を製作し、これを用いて着磁用コイルを励磁する事により、高温超電導バルク体の着磁に成功した。(5)上述の任意波形磁界発生装置を用いて、前半交流磁界、後半直流磁界となるような交・直複合磁界を印加して高温超電導バルク体を着磁した結果、高効率の着磁が得られた。なお、本実験結果では着磁磁束密度が最大で700Gauss(70mT)程度であり、実用面から見た場合は十分とは言えないが、本研究により、交流振動パルス磁界による着磁が単一直流パルスによる着磁に対して勝れていることが示されたものであり、この技術は、基本的に数T程度の磁界領域へ容易に拡張出来るものと考えられる。
すべて 2005 2004 2002
すべて 雑誌論文 (10件)
成蹊大学工学研究報告 41
ページ: 45-46
成蹊大学理工学研究報告 42
Journal of the Faculty of Science and Technology (Seikei University) Vol.42,No.1 (under printing)
Journal of the Faculty of Engineering (Seikei University) Vol.41,No.2
ページ: 51-52
日本AEM学会誌 10
ページ: 143-147
成蹊大学工学研究報告 39
ページ: 335-338
Journal of The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics Vol.10,No.2
Journal of the Faculty of Engineering, (Seikei University) Vol.39,No.2
Journal of The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics Vol.10,No.3