研究課題/領域番号 |
14550277
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
久保田 寿夫 明治大学, 理工学部, 教授 (10170036)
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研究分担者 |
三木 一郎 明治大学, 理工学部, 教授 (20130833)
松瀬 貢規 明治大学, 理工学部, 教授 (40061999)
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キーワード | 交流電動機 / 誘導電動機 / センサレスベクトル制御 / 適応オブザーバ / 回生 / 低速 / 零周波数 / インバータ |
研究概要 |
誘導電動機の速度センサレス制御系において、従来問題となっていた低速・回生領域および、零周波数を含む運転領域で動作可能な方式について検討を行い、シミュレーションおよび実機実験により検証を行った。 適応オブザーバを用いたセンサレス制御方式では、オブザーバゲインを任意に選ぶ自由度があり、低速・回生領域での安定化を図るためにオブザーバゲインの設計について検討した。設計に際して、推定速度を状態変数に加えた拡大系を考え、ラウス・フルビッツの安定判別法を利用した。特性方程式の特定の係数に注目することで、比較的簡単なゲイン計算でオブザーバの計算が可能となった。 一方、零周波数となる動作点では、誘導起電力が得られなくなり、速度推定が困難であった。これを解決するために、磁束レベルを可変とし、すべり周波数を変化させることを提案した。具体的には、磁束レベルを下げることにより、すべり周波数を大きくとることができ、周波数が零とならないように制御するというものである。 ところで、低速領域では、誘導起電力に対して、一次抵抗による電圧降下の割合が増大するため、一次抵抗の設定値が真値と異なる場合は、不安定になる可能性がある。したがって、一次抵抗も推定することが望ましい。低速・回生領域で動作可能な一次抵抗推定アルゴリズムを提案し、シミュレーションにより検証を行った。しかし、このアルゴリズムは実機実験では安定に動作しておらず、更なる検討と改良が必要である。
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