研究概要 |
1.小形風力発電機の最大電力動作点追尾運転方式 1)屋内実験用50W出力風車の特性評価を前年度に引き続いて行なった。今年度は、当大学の風工学研究センターを利用して、理想的な一様風速下での風車特性と、ブロワにより駆動した場合の風車特性を、温度や湿度の影響も考慮しながら詳細に比較検討した。この結果、小形風車をブロワで駆動する方法でも十分な風車特性が再現できるとが明らかとなり、電気学会SPC研究会で報告した。 2)リミットサイクル方式MPPT制御を上記の実験装置に適用し、定常動作時において最大電力動作点での動作が実現できていることを実験により確認し、電気学会全国大会で報告した。なお、同制御系の設計法は太陽光発電の場合に準じるが、機械的時定数の影響については引き続き検討中である。 3)前年度に製作した「2.2kW誘導機+2kW永久磁石直流発電機」実シミュレータについて、トルク指令への追従性を改善する目的で、軍流制御法をヒステリシスコンパレータ方式から電流マイナーループ方式に改良した。 2.脈動電力のフライホイール利用による電力平準化 フライホイールをエネルギー蓄積要素として利用する場合の基礎技術である始動法と,任意の回転速度からの再始動(速度の拾い上げ)に関して具体的な一方法を提案し、電気学会全国大会で報告した。 3.小規模分散電源システムとしての問題点の抽出 本研究の次のテーマとして取り上げるべき小規模分散電源システムの問題点について検討し電気学会全国大会で報告した。すなわち、太陽光や風力発電ユニットを直流バスに接続する場合、各ユニットの電力分担とDCバズ電圧を定常状態で定めることを目的として一般に『仮想抵抗制御」が行なわれるが、この制御はシステムのダンピングを改善には寄与しないことが固有値解析より明らかとなった。今後、システムの不安定性要因の検討と有効なダンピング改善策について検討する。
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