• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

数値解析を用いたパルス励磁渦電流探傷評価手法の高度化

研究課題

研究課題/領域番号 14550282
研究機関福山大学

研究代表者

坪井 始  福山大学, 工学部, 教授 (70116482)

キーワード渦電流探傷 / パルス励磁 / 非破壊検査 / 電磁界解析 / 数値解析手法
研究概要

平成15年度は、平成16年度に行うパルス励磁渦電流探傷(PECT : Pulsed Eddy Current Testing)用のセンサーのスキャン方法や信号処理法の開発・改良のため、電磁現象を把握し、センサー設計のための指針を得ることを目的に検討を行った。
まず、PECTの実験モデルおよび三次元解析用PECTベンチマークモデルの解析を行い、PECTにおける電磁現象の解明という観点から計算精度の検討を行った。これらの解析では、センサー信号の振幅の精度はフーリエ変換法の方がステップ・バイ・ステップ法より優れていることを確認し、空間の有限要素分割が十分細かくできる場合はステップ・バイ・ステップ法でPECTの電磁現象を把握できることを確認した。また、実用問題を近似したベンチマーク問題では、センサー出力が差動出力のため、誤差0.1%以下の磁束密度の計算精度が要求されることがわかった。
つぎに、非磁性導体のPECTにおいて、導体内部にパルス励磁によって誘導される渦電流の分布および励磁終了後の分布の変化を検討し、PECTの電磁現象の解明を試みた。パルス励磁により誘導された渦電流は、励磁終了後には一定速度で拡散しながら減衰していくことがわかり、導体の亀裂等の欠陥によるこの渦電流分布の変化を効率よく捕らえる磁束センサーの設計が必要なことがわかった。また、欠陥による等価的な導体厚さの変化のために渦電流の拡散速度の変化が生じることがわかり、欠陥検出にはセンサー出力信号の時間的変化の分析も重要であることがわかった。したがって、PECTではセンサー出力の空間分布とその時間的変化に着目した信号解析が必要となることが明らかとなった。
さらに、管状磁性導体の渦電流探傷(ECT : Eddy Current Testing)法としてしばしば用いられるリモートフィールドECTをパルス励磁した場合の解析を行い、磁性導体の場合の電磁現象についても確認した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 宮近幸逸, 小田 哲, 坪井 始, 藤尾博重: "二重周波誘導加熱による歯車の高周波焼入れ"材料. 52・7. 801-806 (2003)

  • [文献書誌] 坪井 始, 瀬島紀夫: "パルス励磁渦電流探傷の電磁現象"電気学会静止器・回転機合同研究会資料. SA-03-56 RM-03-58. 29-34 (2003)

  • [文献書誌] 瀬島紀夫, 坪井 始: "パルス励磁リモートフィールド渦電流探傷の電磁界解析"電気学会静止器・回転機合同研究会資料. SA-04-12 RM-04-12. 65-70 (2004)

  • [文献書誌] 坪井 始, 瀬島紀夫: "パルス励磁渦電流探傷の過渡電磁現象"平成16年電気学会全国大会. No.5-166(発表予定). (2004)

  • [文献書誌] Hajime Tsuboi, Motoo Tanaka, Norio Seshima: "Dual Mesh Finite Element Method for Eddy Current Problems with Moving Bodies"日本AEM学会MAGDAコンファレンス講演論文集. (発表決定). (2004)

  • [文献書誌] Hajime Tsuboi, Norio Seshima, Imre Sebestyen, Jozsef Pavo 他2名: "Transient Eddy Current Analysis of Pulsed Eddy Current Testing by Finite Element Method"IEEE Transactions on Magnetics. 40・2(掲載予定). (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi