本研究は、大気圧マイクロプラズマの生成と診断およびナノ結晶の局所形成技術の開発に基づいたプロセス技術の確立を最終目標とする。平成14年度は、塩素系原料を用いた低温プラズマCVD法によりナノシリコン結晶サイズ、密度および高さ制御を実現し、各種表面酸化法によりシリコン系可視発行素子への応用を検討した。その結果ナノ結晶の作製条件およびその後の酸化法により発光強度の増大および安定化の向上に成功した。さらに市販の注射針の先端に大気圧rfマイクロプラズマジェットを生成し、初期的な実験としてシリコン酸化およびカーボンナノチューブ(CNT)の形成に応用した。その結果従来の低圧CVDで報告されているSi/SiO_2界面物性の発現を電流-電圧、容量-電圧特性評価を通じて明らかにし、簡単な装置構成で局所シリコン酸化技術に適用可能であることを見い出した。また室温で触媒金属なしにCNT局所合成に成功した。さらに塩素系原料によるシリコンナノ結晶の局所合成に成功したことから、平成15年度はこれらナノ結晶シリコンの光学・発光特性の評価を行う。
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