研究概要 |
研究目的及び平成15年度の研究計画はL膜展開時およびL膜展開後に水面から離れた電極に電圧を印加しながら累積することによりLB膜面水平方向の構造制御性の向上をめざした.すなわち電圧の極性,電圧印加後のL膜放置時間,水相のpHを変化させることによりLB膜の配向性および膜の累積比(基板上にLB膜が累積する割合)がどのように変化するかをまず調べる.その結果を用いて電圧印加条件によりLB膜の膜面内方向の周期構造が作製できることを期間内に明らかとした. 平成16度はL膜分子を水面上にL膜分子を展開後でも,L膜展開中と同様に水面と離した金属電極板との間に電圧を印加することによりL膜での分子極限占有面積を制御できることを明らかにした.このL膜をガラス基板上に累積したLB膜のX線回折パターンの解析によりLB膜の層間距離が,L膜での電圧印加を行わなかった試料に比べ短くなっていることがわかった.また同じLB膜試料の紫外・可視吸収スペクトルよりLB膜中の会合体を保持したまま,分子数密度が減少していることがわかった.これらの結果LB膜の膜面水平方向での選択的な分子の累積,配向制御が行えた. 以上より,LB膜の膜面水平方向での周期構造を作製するための十分な実験条件を探索することができ,LB膜分子の膜面水平方向での微細加工技術の高機能化の可能性を示すことができた.
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