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2003 年度 実績報告書

窒化ガリウム薄膜の局所選択形成のための新しいプロセス

研究課題

研究課題/領域番号 14550300
研究機関大阪大学

研究代表者

柳澤 淳一  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (60239803)

キーワード窒化ガリウム / GaN / イオンビーム / 窒素ラジカル / 熱フィラメント法 / 直接堆積 / XPS
研究概要

低エネルギーガリウム(Ga)イオンビーム直接堆積による薄膜形成プロセスにおいて、イオン照射中の基板を窒素ラジカル雰囲気に置くことで堆積膜中に窒素が取り込まれる、という昨年度の研究成果を踏まえ、ベース真空度を上げ、さらに窒素ラジカル発生に新たに熱フィラメントを用いる方法を検討した。また、形成された堆積膜の組成、化学的結合状態をX線光電子分光(XPS)で評価しているが、リファレンスとしてエピタキシャル成長で作製されたGaN薄膜のXPS測定も行ない、XPSによる評価の妥当性についても検討を行なった。
試料近くにタングステンワイヤーをコイル状に巻いたフィラメントを導入し、通電・加熱することでチャンバ内に導入された窒素ガスを分解・励起し、窒素ラジカルの発生を試みた。この雰囲気で100eVのGaイオンを基板に照射して形成される薄膜のXPS測定を行なったところ、金属Gaの存在を示す18.5eVの結合エネルギーにはメインのピークは見られず、Ga-N結合を示す20.1eVに大きなピークが見られた。これはGaNエピ膜のXPSスペクトルに見られるGaのシグナルと同じ位置に見られ、これらのことからXPSシグナルの化学シフトによりGaとNの化学的な結合の有無を評価できること、また、窒素ガス雰囲気下で熱フィラメントを用いることで堆積した膜中にGaと化学的な結合を持ったNが取り込まれること、が示された。また、ベース真空度を上げたことで昨年度問題となった酸素の取り込みは大きく減少し、純度の高いGaN薄膜が形成できることを示すことができた。
Gaイオンの照射量が十分でないため厚い膜を堆積させることはできなかったが、本研究により窒素ラジカル雰囲気下でのGaイオン直接堆積法という新しいプロセスにより、窒化ガリウム(GaN)薄膜の形成が可能であることを示すことができた。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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