研究課題
赤外線センサについては、これまで検出部材料として多結晶シリコン膜を用い、ブリッジ構造を併せることにより高感度を確認してきたが、抵抗率が大きく熱雑音が大きい欠点があった。今年度は抵抗率の高温度係数を保ちながら、抵抗率の低い検出材料を実現するため、その候補としてチタン酸バリウムストロンチウム(BST)を主成分とする膜についてゾル・ゲル法による形成を試みた。ひび割れなく膜形成できる形成条件を見出し、組成・結晶構造についてペロブスカイト構造を確認したが、不純物導入による半導体化についてはまだ確認できていない。次に、太陽電池の反射損失低減のための微細テクスチャー構造の形成を多結晶シリコン基板に対してプラズマレスドライエッチングにより行っているが、多結晶中の欠陥が電気的特性に大きく影響を与えることが判明した。そこで、欠陥の水素パッシベーション法について検討を行い、特性を大幅に改善できることを確認した。次に、バイオセンサ・マイクロリアクタの作製を目的として、微小流路を形成するための基板貼り合わせ技術に関する検討を行った。酸化膜を有するシリコン基板を希フッ酸処理を行い、80℃以下で貼り合わせることに成功したが、均一性に改善の余地があることがわかった。また、微小流路についてはシリコン基板上に幅1μmのパターンを形成できることを確認した。これを貼り合わせることによる微小流路の実現に見通しを得ることができた。
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