研究課題/領域番号 |
14550312
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研究機関 | 豊田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
杉浦 藤虎 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 助教授 (70206407)
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研究分担者 |
安藤 浩哉 豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 助教授 (30212674)
塚本 武彦 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 助教授 (10217284)
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キーワード | GaN / GaMnN / Raman spectroscopy / phonon |
研究概要 |
本年度は、異なる組成をもつInGaNの試料の作製を行った。InGaNの分光学的評価の詳細は次年度に行う予定である。本年度は特に窒化ガリウム(GaN)に関連した材料について研究を行ったので以下に報告する。 GaNとその関連材料は、オプトエレクトロニクスあるいは高温エレクトロニクス分野において、その非凡な潜在能力ゆえ非常に重要視されている。これらの材料評価は理論的、実験的に精力的に行われており、ドーピング元素の種類によりその特性も大きく左右されることがわかってきた。最近、GaMnNが室温で強磁性を示す材料となることが理論的に予測された。この材料は磁性体と半導体の両方の性質を併せ持つ新機能材料としての可能性を示すものとして注目されている。さらに、ドーピング元素としてのマンガン(Mn)はGaN中で浅いアクセプタになり得ると考えられており、p形ドーパントの種類が限られている中、この性質はInGaNのデバイス応用上でも興味深い。 以上のような有望性は示されているものの、GaMnNにおける詳細な研究はほとんどなされていない。特に基礎的な物性パラメータの一つである、フォノンに関する研究はごくわずかである。そこで本年度はGaMnNのラマンスペクトルを測定し、GaN:Mn(母体結晶GaN中の不純物Mnという意味)に起因したモードの解析を行うことにした。また、スペクトルからキャリア密度を推定することも試みた。 GaMnNのラマンスペクトルを解析した結果、GaN:Mnに起因した不純物モードを669cm^<-1>付近に見つけることができた。すなわち、そのモードの強度はキャリア密度の増加に伴い、顕著になることが示された。ただし、高キャリア密度の試料で見られる650cm^<-1>付近のブロードなバンドの詳細は現在のところ明らかではない。また、高キャリア密度により生じたプラズモンに関与したブロードなモードからキャリア密度を理論的に解析することを試み、求めた値がERDA法から得られたキャリア密度と極めてよく一致することを示した。
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