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2003 年度 実績報告書

窒化物三元混晶半導体InGaNの組成均質性の定量的評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14550312
研究機関豊田工業高等専門学校

研究代表者

杉浦 藤虎  豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 助教授 (70206407)

研究分担者 安藤 浩哉  豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 助教授 (30212674)
塚本 武彦  豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 助教授 (10217284)
キーワードInGaN / 窒化物半導体 / ラマン散乱 / 非混和性 / 成長不安定性 / GaN
研究概要

MOVPE法によってサファイア基板上にAIN低温バッファ層を介して厚膜(>1μm)成長した窒化物三元混晶半導体In_xGa_<1-x>Nの組成均質性を理論的・定量的に評価した。
まず、InGaNの混合不安定性を熱力学的解析および結晶配列の理論解析から検討した結果、InGaN中のGa-NおよびIn-Nボンド長は組成xによらず、お互いほとんどそのまま純粋なGaNおよびInNのボンド長を保つことがわかった。そのため、xの変化に伴う単位格子の歪は極めて小さく、xが増大しても両ボンドの個性が強く主張される結果、結晶が均質にならず、混合不安定性が大きくなることを示唆した。次に、本研究で使用したIn_xGa_<1-x>N試料の巨視的特性を、SEM像およびTED像から評価し、膜厚均一性、単結晶性を示した。また、PLスペクトルからxの増加に伴うブロードニングの増大を示した。またIn_xGa_<1-x>Nの組成均質性を、ラマンスペクトルの非対称形状と選択則の緩和を考慮したSpatial Correlationモデルによる相関長と関連付け、定量的に解析した。その結果、In_xGa_<x-1>NのE_2フォノンモードの低エネルギ側へのブロードニングは、Azuhataら[physica B219/220(1996)493]のフォノン分散関係を用いて説明できることを示した。そして、xの増加に伴う相関長(フォノンの振幅の広がり)の減少を示した。相関長の大きさは〜10nm程度で、Kawaguchiら[J.Cryst.Growth 189/190 (1998)24]によるTEM像の柱状粒子の大きさとほぼ一致することを示した。ただし、組成均質性の影響をより強く反映すると考えられるE_<2low>フォノンについては精度良く観測できなかった。その理由として、低い状態密度と励起光に近いエネルギのため励起光の裾野に埋もれた可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 杉浦藤虎, 塚本武彦, 安藤浩哉: "ラマン散乱によるInGaNの成長不安定性に関する研究"豊田工業高等専門学校研究紀要. 36. 21-28 (2003)

  • [文献書誌] 吉田行宏, 杉浦藤虎, 塚本武彦, 安藤浩故: "フォトルミネッセンスによるInGaAsPの非混和性に関する研究"豊田工業高等専門学校研究紀要. 36. 33-38 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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